ダイエット 漢方コラム
2019.02.02
塩と言えば「塩分を摂りすぎると血圧が上がりますよ」「減塩しなさい」「塩分は控えめに」と言います。
健康には減塩しなさいとよく聞かされます。
塩は悪者にされてしまっていますが、果たしてそうでしょうか。
羊水は太古の海の組成
人類の祖先は海から生まれてきたと言われています。
人間の血液中には0.85%の塩分が含まれ、pH7.4の弱アルカリ性です。
また羊水も塩水です。太古の海水にそっくりだと言います。この塩水の中で胎児が育ちます。
生命を次に引き継ぐ胎児は最高の環境の中で育てられるはずで、それが塩水なのです。
塩と血圧
「高血圧には減塩せよ」と言われていますが、確かに食卓塩(精製塩・塩化ナトリウム99.5%)をとると血圧が上がります。しかし、自然塩(93~95%)をとると血圧は下がりますし、低い血圧は上昇し正常値になるという実験があります。
精製塩と言うのは食物ではなくて有害な「化学薬品」という認識が食養生の世界では常識です。
悪者扱いされているのはこの精製塩のことです。
精製塩とは
日本の地理や自然条件では、外国のように岩塩、天日塩を生産できません。塩田を使って作っていた(塩田濃縮せんごう)塩は現在、海水を煮詰めて作る「膜濃縮せんごう塩」となり、日本の塩は世界一安全で綺麗な塩になっています。
しかし汚染物質や細菌が除去できる一方
天然に含有していたミネラルも全部捨てられてしまっています。
純度100%の塩化ナトリウムはそのままだと湿気で固まるので、固まらないように「炭酸マグネシウム」をわずかに添加します。
それ以外はほとんど何も含まれていない化学的に合成した塩。
これが精製塩です。
私たちが食べる、ほとんどの食品にこの精製塩が使われています。
ソース、味噌、醤油、ドレッシングなどの調味料、スーパーやコンビニのお惣菜やお弁当、レトルト食品、カップラーメンなどの保存食品。もちろん外食もそうです。
人間が普通に食べている食物には単一成分だけのものは一つもありません。こうした食物に順応して出来ている体には、自然ではないこういった単一成分の物質を摂っても、体には順応する力がありません。
様々な副作用が起こるのが当然で、精製塩は毒性を持っているとも言えるでしょう。
自然塩を摂ろう
食養では白砂糖・白米・食塩(精製塩)を三白と言い、三白追放と言って忌み嫌っています。
血液の酸性化が悪いことはよく知られていますが、これを弱アルカリにするには自然塩を摂れば良い事は、あまり知られておりません。特に冬季は体を陽性化するためにも、もっと用いたい調味料です。
東洋医学では塩の味を「鹹」と言います。鹹味の食品は、腎・膀胱と骨・歯を丈夫にし、肺・大腸を助ける薬能があり、小便・汗などの体液の排泄には欠かせない要素です。一番合理的に余分な体液を排泄できるのは小便ですが、それには1リットルの排泄に7グラムの食塩が必要です。
口から余分な水分を取った時は、咳・くしゃみなど皮膚や呼吸器から塩分がなくても気体として排泄できる手段で逆流(尿から排泄しないで身体上部から気体として発散すること)しなければならないことが、忘れられています。頭痛持ちや鼻炎・痰・咳などは水分の取りすぎと塩分欠乏のための逆流現象なのです。
日本は、欧米のような大陸性気候とは異なって、年中湿度の高い気候ですので、日本漢方では体内の余剰水分を「水毒」と言って、漢方での治療対象としています。「水をよく飲め」などと水分摂取を推奨している人もいますが、特に冷たい水は陰性で、体を冷やすばかりでなく、水分排泄のために腎臓に大きな負担をかけることになりますので、水分摂取はほどほどにしたいものです。
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