ダイエット 漢方コラム
2019.03.04
夜、寝る前にお酒を飲むという人もおられるかと思います。
お酒を飲んだ方がよく眠れるように思われますが、そんなことはありません。
むしろ、寝酒は良質な睡眠を妨げます。
たしかに、アルコールには鎮静作用や睡眠を促す作用があり、お酒を飲むと眠くなります。
しかし、アルコールは脳の働きを抑えて眠らせているので、アルコールが分解されていく過程で発生するアセトアルデヒドが深い睡眠を阻害し、浅い睡眠状態が長く続いてしまいます。
そのため、夜中に目が覚めやすくなったり(中途覚醒)、早朝に目が覚めやすくなってしまいます(早朝覚醒)。
レム睡眠とノンレム睡眠
眠りの仕組みについて説明します。
睡眠は眠りの深さによって2種類に分けられています。
1つは浅い眠りの「レム睡眠」、
もう1つは深い眠りの「ノンレム睡眠」で
眠りにつくと、これらを交互に繰り返しています。
まず、入眠とともに始まるのがノンレム睡眠です。
ノンレム睡眠には眠りの深さにより、レベルが1、2、3、4の四段階あります。
レベル1、2は浅いノンレム睡眠で、
レベル3、4は深いノンレム睡眠です。
この深いノンレム睡眠のときに成長ホルモンが分泌されます。
次に浅い眠りのレム睡眠へと移行します。
ひと晩に4~5回、一定のリズムで繰り返してから朝目覚めを迎えます。
寝酒が睡眠の質を下げてしまう理由
お酒を飲み過ぎると、夜中に動悸がして眠れないという人がいます。
アルコールの血管拡張作用で血圧が下がり、末端への酸素の供給が低下してそれを補うために心拍数が上がってきます。そのため、お酒を飲むと夜中に心臓がドキドキし、安眠が妨げられるのです。
そのほかアルコールには利尿作用があり夜中にトイレに行きたくなり起き、睡眠は中断されます。
また利尿作用に加え、発汗作用もあり体の脱水傾向が生まれノドの渇きで起きてしまう場合もあります。脱水傾向により夜間や早朝の脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高くなります。
以前のコラムでも紹介した睡眠時無呼吸症候群も起こしやすいです。仰向けで寝ると舌が喉に落ち込んでいびきが大きくなり、ひどいと気道をふさぎ無呼吸状態になる状態です。
東洋医学では
肝
「寝ると、血は肝に帰る」とされています。
また1時から3時(丑時)は肝の時間とされ、
この時間に熟睡ができていなければ、
全身の筋肉が硬くなり、
体がだるく感じます。
血液の浄化ができず、
体が酸化しやすくなり、
皮膚にはシミなどが現れやすくなります。
[身体症状]
またこの時間に熟睡ができないと
思考力が低下し、
怒りやすくなったり、
憂鬱になったりなどの症状が出ます。
[精神症状]
アルコールは肝臓で分解されます。肝臓はアルコール分解のために大量のエネルギーを要するために休んではいられません。安静とは反対に活動的に働きます。
東洋医学の肝と肝臓はイコールではありませんが肝臓という臓器も含んだ器官です。
よって、アルコールの分解に追われている間は良い睡眠は得られず上記のような症状がでてきてもおかしくはありません。
寝酒はほどほどのするのがよいです。
松山漢方相談薬局では個人の体質や病状を把握し治療するだけでなく、生活に取り入れられるその方に合った養生法もお伝えしております。
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