ダイエット 漢方コラム
2019.03.12
朝食をゆっくり、よく噛んで食べることが夜の睡眠の質に影響するということをご存知でしょうか。
質のよい睡眠に欠かせないホルモンの「メラトニン(別名、睡眠ホルモン)」はセロトニンから作られます。
セロトニンは心の安定や緊張を取り除き、自律神経のバランスを整える働きがあります。
このセロトニンは昼間に造られ、暗くなるとセロトニンがメラトニンに変わって、眠気を誘います。
セロトニンは目が覚めてから分泌され、頭をすっきりさせて元気に活動できるように作用しますが、睡眠中にはほとんど分泌されません。
昼間にセロトニンの分泌がうまくいかないと、質のよい睡眠は望めないということです。
ではセロトニンの分泌を高めるには何をすれば良いのか見ていきましょう。
朝食をよく噛んで食べよう
・よく噛む
噛むことは一種のリズム運動になります。
リズミカルな筋肉運動(咀嚼、呼吸、歩行など)でセロトニンは分泌が高まります。
たとえば、ガムを噛むという簡単な行為でも、20分程度続けていると、脳内セロトニン濃度が高くなります。
・バランスのよい食事
そしてセロトニンの材料となるのが、トリプトファンという必須アミノ酸です。
トリプトファンは、動物性タンパク質(肉類、魚、乳製品など)に多く含まれています。そのため最近、「セロトニンを増やすために肉をしっかり摂る必要がある」という説をよくみかけます。
ところが実際には、動物性タンパク質だけを多く摂取しても、ほかの必須アミノ酸の影響で、脳内のトリプトファンは増えないことがわかっています。
動物性タンパク質には、筋肉をつくる必須アミノ酸が多く含まれているので、運動機能を向上させるためには欠かせない栄養素ですが、それだけを多く摂ってもセロトニンの活性効果は望めません。
(バナナはトリプトファンとビタミンB6と炭水化物を豊富に含む食材でセロトニン合成には有利に働きます。朝忙しくて食事をゆっくりしていられないときなどにはよいでしょう。)
睡眠ホルモンのメラトニンはトリプトファンを原料に5-HTPからセロトニンを経て作られます。
この途中で葉酸、ビタミンB3、ビタミンB6、鉄、マグネシウムが必要ですが、これらの栄養素はご飯に卵、魚、海苔、大豆製品(豆腐、納豆、味噌など)といったメニューにするとまかなうことができます。
・朝ごはん
過去のコラムで『よい睡眠のための朝の習慣』にも
朝の習慣の1つとして「朝食をゆっくり、よく噛んで食べることでメラトニンの分泌を高めて夜のよい睡眠に導く」を紹介しましたが
朝から活発に体を動かしたり、頭を使うには、エネルギーが必要です。
夜ごはんを食べてから(個人差はありますが)10時間近くもエネルギーをとっていない体や脳には
昼食でも夕食でもなく朝食での補給が非常に重要です。
しかし、朝は何かと忙しいものです。
とりあえずガムを噛んでおくのもいいでしょう、
何も食べないよりはバナナ1本で栄養補給をするのもいいでしょう、
でも、できれば栄養バランスのとれた朝ごはんをよく噛んで食べることが大切です。
松山漢方相談薬局では個人の体質や病状を把握し治療するだけでなく、生活に取り入れられるその方に合った養生法もお伝えしております。
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・セロトニン分泌を高めるためのリズム運動
・呼吸
呼吸では、坐禅の呼吸法(丹田呼吸法)をおこなうことでも、セロトニンの分泌高まります。
・運動
ウォーキングや軽いジョギング、自転車こぎ、太極拳などにも、セロトニン神経系の活性化作用があるので、次のことを守って実践してください。
リズム運動には、効果的な運動継続時間があります。どの運動の場合も、運動を始めて5分後くらいからセロトニン濃度が高まり、20~30分でピークに達します。それ以上運動を続けて、疲れたと感じるレベルになると、かえってセロトニンの機能は低下します。また、自分にとってきついと感じる激しい運動や、苦手な運動の場合も効果は期待できません。お気をつけください。