ダイエット 漢方コラム
2013.09.07
動植物は、本来は人間の食物や薬として存在しているものではない。生命を持っている天然物は、自身を防衛するための免疫成分を持っており、ただ人間がそれらの天然物から人間の都合の良いように利用できるものを探索・開発し、経験的に利用してきたのである。『薬食同源』とは、普段から体に良い食材を食べていれば、特に薬などを必要としないという意味を持っている。それほど日常の食事は健康と密接な関係がある。
①免疫力をアップさせる食事としては玄米、発芽玄米や、麦、雑穀を主食にするのが最も良い。
芽を取り除いた白米のご飯は軟らかくて、美味しいかもしれないが、胚芽が残っている玄米は栄養価が高く、しかも栄養のバランスが整っており、免疫力をアップする。また玄米も調理の仕方によって、軟らかく美味しくなる。
②食品をまるごと食べる。
玄米、小魚、ごま、豆類など、動植物をまるごと食べる食品には、一部分だけを食べる食品に比べて必要な栄養素がバランス良く含まれている。
③醗酵食品を食べる。
動物は食品を食べると体内でその食品を醗酵して、体に有効な成分に変化させることでエネルギー源及び免疫力などに役立たせるのである。微生物の分解を利用した醗酵食品は、もとの食品に加え、醗酵の過程で生じる酵素も食べることになるため、消化吸収が非常によくなる。みそ、納豆、漬物、キムチなどは副交感神経を刺激し、腸管の運動を促進して免疫力をアップさせる。
④食物繊維をとる。
食物繊維は腸で水分を含んで膨張するため、便通をよくする。消化管の入り口から出口まですべてを刺激して、副交感神経を優位にさせる。特に食物繊維は大腸ガンの予防に有効である。インスタント食品や肉類を多く食べる西洋人より、食物繊維を多く食べる東洋人には大腸ガンが少ないが、最近は東洋人も西洋式の食事を好むようになって、大腸ガンがだんだん増えてくるようになった。きのこ類、ゴボウ、ブロッコリー、ほうれん草、かぼちゃ、にんじん、昆布、わかめ、ひじきなどは繊維質も多く含んでいるため、免疫増強剤や抗癌剤の補助治療薬として脚光を浴びており、ブロッコリーにも免疫増強作用と抗酸化作用があることから、最近では、健康機能食品としてよく利用されている。
⑤漢方生薬には免疫増強作用、抗酸化作用を持つものが多い。
漢方生薬は長久な経験を通じて薬効を昇華した天然薬物である。この天然薬物は、効能に応じた科学的側面からの根拠を追及した結果、その効能と関連する有効成分の作用機序が一致していることが明らかにされている。