ダイエット 漢方コラム
2013.07.10
①子宮筋腫
子宮は、平滑筋という柔らかい筋肉でできた臓器です。この子宮の筋肉の一部から発生する『硬くて丸いこぶ』が子宮筋腫です。エストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けて成長する子宮筋腫は、40歳前後の女性のおよそ30%に見られるほど多い疾患です。発生する場所によって、漿膜下子宮筋腫、筋層内子宮筋腫、粘膜下子宮筋腫に分けられます。子宮筋腫の患者さんでも妊娠し分娩できることが多いのです。では、どのような場合が不妊症となるのでしょうか。まず粘膜下子宮筋腫は、子宮の中に発生しますので、たとえ小さい筋腫でも受精卵の着床を妨げ、不妊症の原因となります。筋層内子宮筋腫でも、胎児の宿る子宮内腔を変形させるものはやはり受精卵の着床を妨げます。また、卵管に近い所にできた子宮筋腫は卵管を圧迫して不妊症の原因となる可能性があります。漿膜下子宮筋腫は不妊症の原因とはなりにくいのですが、あまりに大きいものは卵巣や卵管の働きに悪影響を与え、不妊症となることもあります。
②子宮腺筋症
子宮腺筋症は、子宮内膜症の一つです。子宮内膜症とは、前述の通り、子宮内膜と同じような組織が子宮の筋層内やダグラス窩、卵巣、卵管周囲などに生じて増殖する症状です。この子宮内膜症が子宮の柔らかい筋肉の中に発生すると、子宮が全体に硬く腫れてしまいます。これを子宮腺筋症といい、子宮内膜症の中でも特に月経痛が強くなるのが特徴です。子宮の筋肉が硬くなると、受精卵の着床を妨げると考えられ、その結果、不妊の原因となります。
③子宮形態異常
子宮の形は、西洋梨に例えられます。大きさは、やや大きめの鶏卵くらいです。生まれつきこの子宮に形態異常があるために、不妊症や流産の原因となることがあります。子宮形態異常には、程度の軽いものから重いものまで様々です。弓状子宮や中隔子宮は子宮底の形に異常があるものです。重複子宮というのは子宮が左右にふたつあるもので、膣もふたつあることがあります。子宮の形態異常は、子宮卵管造影によって診断されます。なぜ子宮の形に異常があると不妊症になったり流産しやすいのかは、よくわかっていません。子宮形態異常があっても、普通に妊娠し分娩できる人も少なくありません。特に弓状子宮の場合は、そのまま様子を見ることがほとんどです。中隔子宮や双角子宮で、不妊症や流産の原因となっていると考えられる場合は、子宮の形を整形する手術をお勧めすることもあります。
④子宮内腔癒着
人工妊娠中絶などで子宮内腔の掻爬術を受けたり、また子宮内腔の細菌感染による炎症などで子宮の中が傷ついた結果、子宮内腔に癒着が起こることがあります。これを子宮内腔癒着といいます。子宮内腔癒着を引き起こす細菌としては、結核菌が有名です。癒着が起こると、受精卵が宿る子宮内腔がなくなり、受精卵の着床を妨げ、不妊症の原因となります。自覚症状として、月経の出血量が極端に少なくなることがあります。
⑤子宮内膜炎
膣の中には細菌が繁殖していますが、通常はこれらの細菌や病原微生物は、子宮頚管で分泌される頚管粘液にブロックされて子宮の中まで入り込むことはありません。しかし、いったん病原微生物が子宮の中に入り込むと、子宮内腔で炎症を起こし、子宮内膜炎となります。
⑥子宮内膜ポリープ
子宮内膜の一部が増殖し、良性の腫瘍となったものを、子宮内膜ポリープといいます。子宮の内腔は、お米一粒がやっと入ることのできるくらいの狭いものです。この中にポリープが発生するとたちまち子宮の中を占拠してしまい、受精卵の着床を妨げることになり、不妊症の原因となります。子宮内膜ポリープが発生すると出血が起こりやすくなり、月経前後に不正出血が見られることがあります。
⑦子宮内膜が厚くならない
子宮内膜は受精卵が着床するふかふかのベッドです。卵胞の発育に伴い、卵胞ホルモンの影響を受けてこの内膜は厚さを増し、排卵前後にはおよそ10mm以上の厚さにならないために妊娠が起こりにくいことがあります。妊娠が起こるための子宮内膜の厚さは8mm以上と考えられています。排卵誘発剤のクロミフェンが原因となることがありますが、そのほかの場合は原因不明です。
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