ダイエット 漢方コラム
2020.01.10
~~目次~~
安中散の「中」は、胴体(体幹)の中央部の意味です。いわゆる「おなか」に相当します。
漢方用語の中焦(チュウショウ)の「中」に由来します。臍から上部の腹部に相当し、五臓六腑の脾(ヒ)と胃、すなわち上部の消化機能を担う部位です。
「安」は、やすらかにする、安定させる、という意味ですから、安中散は、胃腸機能を調える薬効を有する散剤であることが分かります。
散剤は生薬を粉末状にして混合したお薬です。
古典には温めた酒で服用するよう記載されています。
胃痛・腹痛・・・冷え性で胃やお腹が痛くなりやすい。冷たい飲食物の摂取により胃痛・腹痛が起きる。手などで温めると痛みが和らぐ。
胃酸過多・むねやけ・・・胃からすっぱいものが上がってきて吐き気がする。
胃が脹って苦しい・・・冷えにより胃の飲食物を上から下に運ぶ機能が低下するために食欲不振。精神的ストレスによってげっぷや腹部にガス張りを起こす。
生理痛・・・冷えによる生理痛にも。
配合される生薬の大半(甘草、牡蠣以外)が温める働きがあり、エネルギー不足や冷たい飲食物の摂り過ぎで冷えて、痛みや機能低下を起こした胃腸症状を改善します。
また、桂皮、縮砂、良姜、茴香は香りで胃腸の機能を調えます。芳香性健胃薬としても使われます。
安中散は、ストレスによる気うつ感を軽減して痛みを軽くするお薬です。鎮痛効果を担うのは延胡索で、その鎮痛作用は薬理学的に明らかにもされています。
牡蛎は単味を粉にして、胃痛·胃酸に用いることがあります。
・桂皮3-5
・延胡索3-4
・牡蛎3-4
・茴香1.5-2
・縮砂1-2
・甘草1-2
・良姜0.5-1
体力中等度以下で、腹部は力がなくて、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、胃もたれ、食欲不振、はきけ、嘔吐などを伴うものの次の諸症:
神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱
脾胃の虚寒・気滞血瘀による胃痛、腹痛、月経痛。
胃・十二指腸潰瘍に本処方を用いることが多いです。
しかし、急性の潰瘍は熱をもつ可能性が多いため、本処方の温性、燥性が症状を悪化させる心配があるので要注意です。
KANPORO松山漢方相談薬局
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