西洋医学と漢方医学の違いを説明する場合、「西洋医学は病気を治し、漢方は病人を治す」と言われます。漢方薬を適切に用いることで、驚くほどの効果を示すことが少なくありません。
しかも、副作用が少なく、体質を改善するなど西洋薬では期待しにくい治療効果も得られます。西洋薬、漢方薬、健康食品など、さまざまな治療法があるこの世の中で、正しく皆様にサポートしていけたらとても幸いに感じます。
良い悪いに関わらず、どんな薬でも身体への影響は様々です。 基本的に病院の薬(化学物質)は強く、漢方薬(天然のもの)は弱いものが多いです。 (ただ、病院の薬でも、弱い薬もありますし、漢方薬でも強いものもあります)
副作用は基本的に薬の強さによって決まります。 病院の薬に比べると漢方薬の副作用は非常に出にくいです。 (ただ、漢方薬でも質の悪い漢方薬、体質や症状に合っていない漢方薬は副作用が出ることもあります)
強い薬ほど効果が現れるのは早いです。 漢方薬は慢性病に使うことが多いので、ゆっくりなイメージはありますね。 効果や改善のスピードは日頃の食事や生活リズムとも深い関係があるので、 個人差が非常に大きいです。
西洋薬は対処療法となる治療が多いため、一時症状が良くなっても、またつらい症状を繰り返す傾向にあるため、薬をずっと飲み続けるものが多数あります。 漢方薬は体質から改善させるので、いずれ漢方薬を飲まなくても症状が出なくなります。
西洋医学は各臓器の細かい診断は得意ですが、身体すべてを捉えることは苦手です。 東洋医学は体質や症状だけではなく、生活習慣などあらゆる角度からの視点で原因を探ります。
西洋医学では切り取ることや、菌を殺すような身体の外へ排除するのは得意です。 東洋医学では排除するだけでなく、身体全体や予後のことを考え、様々な方法で取り組むことが出来ます。
病院での対処療法とは違い、漢方薬は体質や症状の根本を正常にすることによってお悩みの症状や病気が改善していきます。
ですから、体質が変わり症状が出なければ漢方薬は飲まなくても大丈夫になります。症状が改善しても、体質が変わっていなければ、継続して飲む必要があります。
その判断は、体調をみながら行っていきます。
漢方薬では体質の根本から改善させていただきますので、慢性病は西洋薬に比べると効果を実感するまでに時間がかかる事が多いです。(ただ、数日で効果を実感される方も少なくありません。)
これは、血液が入れ替わるのに4ヶ月(120日間)、体のほとんどの細胞が入れ替わるのに1年かかるからだと言われています。
なお、改善のスピードには個人差があり、症状の強さ、症状が出てからの期間、日頃の生活習慣が大きく影響します。
まず、3ヶ月間は漢方薬を忘れずに飲んで、養生してみてください。
東洋医学では病気を治すのに薬が3割、養生が7割と言われているほど、養生は大切です。
(ほとんどの症状や病気は、日頃の食事や睡眠などの積み重ねで起こるからです)
ですから、今までの食事や睡眠などの生活習慣を変える必要があります。
生活習慣を変えないと改善が遅いばかりではなく、治らない症状もあります。
漢方薬局の最大の特徴としては、個々に合わせた栄養学と東洋医学という医術を駆使し、
病気の根底にある身体に着目し、本来ある身体を取り戻すことで自然治癒力を高めていくことにあります。
東洋医学では「医食同源(いしょくどうげん)」や「薬食同源(やくしょくどうげん)」という言葉があります。
これは、「体に合った食材を食べて健康を保てば、特に薬など必要ない」という意味や、 「日頃から口にする食事と医療の源は同じだ」という意味です。
その食事の延長線上にあるものが漢方薬と言えるのですが、 食材と比べて身体への働きは強いですが、栄養素は含んでいないのが特徴です。
今では、多くの医療機関などで漢方薬を扱うようになりましたが、 中には「間違えている」とはっきりいえるような漢方薬を飲んでいる方が増えてきました。
医療機関があまり漢方薬を知らないまま、 さらに体質などを考えずに西洋医学の病名だけで、漢方薬を選ぶことが 増えたからです。(病名漢方)
残念ながら、保険適応という問題(漢方薬の適応症を定めてしまっているなど)から、 このような間違った漢方の使われ方は今後も増えていく傾向にあります。