不妊症といわれる中にも様々な要因がございます。
妊娠しやすいカラダを目指すため、まずはその原因を知ることが改善への第一歩となります。
ここでは、代表的な不妊症の原因の漢方の解説と改善方法をご説明いたします。
しかし、お一人お一人、お体の状態は違います。
自己判断せずぜひ専門のところでご自分に合った漢方薬をお飲みください。
多嚢胞性卵巣は、成熟しきれない小さな卵胞が卵巣内にたまって、なかなか排卵しない状態のことを指します。
漢方では、大きく分けて三つの原因がありそれぞれに違う漢方を使い分けます。
3つの原因が絡み合っている場合も多く、一つ一つ丁寧に糸をほどいていくことで、自分の力でしっかり排卵できるようになります。
①痰湿・瘀血:卵は育つけど、排卵が遅れるタイプ
②腎虚:卵の育ちが悪く、排卵が遅れるタイプ
③肝鬱:ものごとを考えすぎてしまってホルモンバランスを崩すタイプ
子宮内膜症は子宮内膜が、卵巣やその他の場所に存在し炎症や癒着をおこしている状態です。赤ちゃんができない原因が見つからない女性の約20%に、内膜症が発見されるため不妊と関係していると言われます。子宮筋腫は子宮内に、卵巣嚢腫は卵巣内にできる良性の腫瘍です。腫瘍があっても妊娠する方は多くいらっしゃいます。赤ちゃんができない原因が他に見つからない場合は、積極的に治療することが多いようです。
漢方ではどれも、「瘀血(おけつ)」と言って血が滞っている状態です。手術をしても再発しやすいため、根本的な体質改善がおすすめです。漢方で赤ちゃんは良い血液の塊と考えるため、瘀血体質を改善し、綺麗な血液がたっぷり流れている状態を作ることが妊娠しやすい体質へとつながります。
妊娠していないのに、プロラクチンという催乳ホルモン値が高くなってしまうのが「高プロラクチン血症」。プロラクチンは排卵を抑える働きがあるため、高プロラクチン血症の90%以上の女性が、生理不順です。
漢方で、おっぱいは「肝」と非常に深い関係があります。特に乳頭は肝の通り道です。肝はストレスの影響を直接受けます。ストレスに強い身体を作っていきながら、鬱々したものを解きほぐす漢方がおすすめです。
冷えはあらゆる生体機能を低下させます。とりわけ、生殖機能を担う「腎」は体を温める役割を担っており、腎が弱いということと、冷え・生殖能力低下は直結します。また、全ての液体は冷えると固まるように、血液も冷えるとドロドロ傾向になります。綺麗な血液がたっぷり流れている状態を作り妊娠しやすい体質にするためには、冷えをとることが重要です。
年齢が高くなれば、妊娠率は下がり、流産率は上がります。西洋医学的には、劣化というのは体のサビで、その原因としては「酸化ストレス」や「糖化ストレス」とも言われています。 漢方では、老化は「腎」からおこります。親から受け継いだエネルギーをためておくところで、妊娠・出産などと非常に深い関わりがあります。漢方ではこの「腎」を強化することで体の老化を緩やかにすることができます。
男性不妊には、性交や射精に関わる性機能障害、精路通過障害、など様々あります。また、現代の食生活や生活環境の影響で男性の精子の数や質は全般的に低下しています。
漢方では、生殖機能の「腎」を強化するものや、ストレスによる不調を除くもの、胃腸を強化することで体力全般を高めるものなど、お一人お一人の体質に合ったものがあります。
精子の検査結果は体調によって大きく変動しやすく、一度結果が悪かったからと落ち込まずに、心身の健康を回復させ、再チャレンジしていただきたいと思います。
※男性不妊は非常にデリケートな問題で、なかなか相談しにくいケースもあります。奥様が代理でご相談いただいても構いません。